
相当長いお休みを取ってしまいました。
前回の写真で「これは何でしょう?」とお話したものの答えは
「ドームに張るタイルをデザインするための型枠」が正解です。
この船のような木枠にタイルを並べて、モルタルなどで固定してドームに貼り付けていきます。
あのきれいなドームのタイル文様は直接貼り付けるのではなく、
地上で貼られて最後にドームに持ち上げられるのです。
さて、今回はエスファファーンの建物で、私が一番見たかった建物二つをご紹介します。
一つ目は、前回ご紹介した「王の広場」に面している「アーリー・ガープー宮殿」です。
この建物のデザイン的な面白さは、壮大なバルコニーです。
王はここからポロを見物したというバルコニーですから、このバルコニーからの景観はとてもすばらしい。
エスファファーンを紹介するガイドブックはほとんどがここからの写真を紹介しています。
バルコニーの天井高さが相当高く、外観デザインにとても特徴を与えています。
どうしてこのようなプロポーションになったのかよくわかりませんが、エスファファーンの建築には次に紹介する建物「チェヘル・ストゥーン宮殿」のように、バルコニーの天井が相当高い建築があります。
この天井の高さがとても気持ちよく、内部でもなく外部でもない中間領域の空間を創っています。
この中間領域に自らの身体を置いて、その空間感覚を是非感じてみたいと思っていました。
・アーリー・ガープー宮殿

マスジデ・シャー方向からの姿
アーリー・ガープー宮殿に話を戻します。
この建物は全部で7階建てです。ただし最初から7階ではなく、1,2階がアッバース1世時代、3〜7階とバルコニーはアッバース2世の時に作られました。
ちょっと専門的ですが、内部の細かいデザインを見ると時代が違っている様子がわかります。
バルコニー中央には大きな池があり池の中心には噴水が配置されていました。
イスラムデザインは、水に対しての憧れと敬意がいたるところに現れます。
この音楽室は、ムカルナス天井を浮き天井のように2重3重にして穴を穿ち音響効果を出しているとても興味深いデザインです。
残念ながら最上階の音楽室は修復中で見ることが出来ませんでした。

左:池越しから正面を見る。残念なことに修復中で足場が半分、掛かっていた。中央、右:内部の絵画。

左:バルコニー階の池。中央の3つの黒い穴は噴水。噴水はデザインだけではなく、気化熱で涼を得る
床が下がっている様子がわかる。
右:バルコニー階からマスジデ・シャーを見る。

内部のデザイン。
・チェヘル・ストゥーン宮殿

左:チェヘル・ストゥーン宮殿を正面より見る。右:側面から見ると、柱の立ち姿は迫力があります。
名前の由来であるチェヘル・ストゥーンとは40の柱という意味です。
柱の数は実際には20ですが前面の大きな池に写る柱の像を20本加えて40の柱です。
この柱は建築当時すべてカガミで覆われていたということです。
日本にも京都宇治の平等院鳳凰堂のように、池に写る姿をもデザインとして捕らえる感性があります。
私がペルシャデザインに引かれる感性は、自然の要素をデザインに取り込んでしまう日本のデザインと共通するところがあるからなのかも知れません。
建物は1647年、アッバース2世によって建てられました。建物の使い方は、迎賓館として使われ、庭はアッバース1世の時代に作られたということです。当時はこの庭が、アリーカープ宮殿までつながっていました。
内部はサファビー朝の繁栄を語る絵画がいたるところに書かれていてとても豪華絢爛です。必見!

左:内部ホールからアプローチの池を見た写真です。池の大きさをイメージしてみてください。
右:内部ホール。天井に高さを、人の身長からイメージすると13mぐらいありそうです。柱は天井に向かって細くなっています。頂部はムカルナスの飾りがついていて繊細です。材質は木、押縁で丸く覆われています。

左:豪華絢爛の絵画、絵画の題材からオスマン朝、インドウズベクとの交流がわかります。
右:ペルシャ美人?顔つきが中央アジアの女性風で色白です。
・アルメニア教会

もうひとつ建物をお見せします。
イランというとイスラム一色でモスクばかりと思っている方が多いのですが、どのような国に行っても単一宗教しか認めていないという国は、私が今まで行った国の中にはありませんでした。
イランも同じです。この写真はキリスト教会です。ごらんのように塔にはキリスト教スタイルの鐘が下がっています。もちろん毎日、イスファファーンの町に鳴り響いています。建物の外部バルコニーの内壁には、ご覧のような絵が描かれていて、一部修復中でした。
イランの方々と思える顔つきの見学者も多く訪れていました。

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